ショート動画の企画を考えるときは、広いテーマよりも「誰が、何をできるようになりたいか」から始めます。「写真について発信する」だけでは、明日何を撮ればよいか決まりません。「小さなお店が、スマートフォンと窓の光で商品を撮れるようにする」と絞れば、対象者、場所、見せる動作が具体的になります。
ここでは、小規模な店舗に商品撮影を教える写真家を想定します。実際に実施したキャンペーンの結果ではなく、企画を作るための例です。料理、語学、整理整頓などでも、質問と道具を置き換えて同じ手順を使えます。流行を追う前に、自分が説明できる範囲を確認しましょう。
対象者と制約を一文にする
「店主が、店内で、スマートフォンと窓を使って商品写真を撮る」のように、対象者、作業、制約を書きます。制約があると、最初からスタジオや高価な機材を前提にせずに済みます。また、どの場面で使える方法なのか、別の条件では何を調整する必要があるのかも説明しやすくなります。
相談、コメント、普段の会話から、使用してよい質問を集めてください。個人情報は残さず、困りごとだけを記録します。「パッケージが暗く写る」は、「照明について話したい」より具体的です。前者なら比較する写真を考えられますが、後者はさらに範囲を絞る必要があります。
四つの課題を五つの切り口で展開する
作業を光、背景、構図、準備に分けます。それぞれを「説明」「失敗例」「実演」「比較」「次の行動」で考えると、合計20の候補ができます。全部を公開する必要はありません。同じ答えを言い換えて水増しするのではなく、各動画で別の疑問を解決します。
- 光の説明:窓のそばで商品を回し、影の位置がどう変わるか見せます。
- 光の失敗例:窓の光と色の違う照明を混ぜたときの見え方を確認します。
- 光の実演:白い厚紙を近づけて、影になっている側の変化を見せます。
- 光の比較:ほかの条件をできるだけ保ち、窓に近い位置と遠い位置で同じ商品を撮ります。
- 光の次の行動:別の設定を変える前に、写真を拡大して影と反射を確認します。
- 背景の説明:シンプルな面を使うと商品を見分けやすくなる理由を示します。
- 背景の失敗例:商品の後ろから飛び出して見える物を探します。
- 背景の実演:背景の小物を二つ取り除き、同じ位置から撮り直します。
- 背景の比較:同じ商品と光で、二つの素材の上に置いた写真を比べます。
- 背景の次の行動:次回も使える撮影用の面を準備して保管します。
- 構図の説明:全体写真と細部の写真が、それぞれ何を伝えるか説明します。
- 構図の失敗例:必要な端が意図せず切れている写真を確認します。
- 構図の実演:スマートフォンを動かし、商品の周りに余白を作ります。
- 構図の比較:商品と同じ高さからの写真と、少し高い位置からの写真を比べます。
- 構図の次の行動:違う質問に答えるメイン写真と詳細写真を一枚ずつ選びます。
- 準備の説明:撮影前に机に置く物を短いリストにします。
- 準備の失敗例:斜めになったラベルが接写で目立つ様子を見せます。
- 準備の実演:商品を拭き、反射を確認してから撮影します。
- 準備の比較:商品ごとに作業する方法と、同じ作業をまとめる方法を比べます。
- 準備の次の行動:再現できるように撮影場所全体の写真を残します。
Google Trendsは需要を考える材料として使う
質問の言い方をいくつか調べ、地域、期間、検索の種類をそろえて比較します。Google Trendsの数値は正規化された相対的な関心であり、検索回数そのものではありません。低い値やゼロでも、誰も困っていないとは限りません。検索が少ない語句では十分なデータが出ない場合があります。調べた日と設定も記録しましょう。
その情報を、実際に受けた質問や、自分が示せる具体例と組み合わせます。伸びている語句でも、役に立つ説明ができなければ最優先にする必要はありません。別々の比較で出した点数を同じ尺度のように扱うことも避けます。他言語では直訳だけに頼らず、その地域で自然に使われる質問を調べてください。
三つの基準で最初の企画を選ぶ
各候補を、質問を実際に確認できたか、実演が明確か、手持ちの道具で撮影できるか、の三項目で評価します。それぞれ0〜2点にすると優先順位をつけやすくなります。ただし点数は視聴回数を予測せず、検索結果やAIの回答に掲載されることも保証しません。判断を整理するための道具です。
最初は影、背景、構図など、異なる問題を三つ選びます。「良い写真が大切」という一般論を三回繰り返すより、実行できる内容になります。撮影場所が共通でも問題ありませんが、一つひとつの動画に独立した答えを持たせましょう。
五行の撮影メモに落とし込む
質問、主な答え、見せる動作、締めの言葉、必要な物を書きます。厚紙の例なら、「この影を弱めるには」「光を反射させてみる」「窓を隠さず厚紙を近づける」「二枚を拡大して比べる」「スマートフォン、商品、窓、厚紙」です。これで練習できる流れができます。
声に出して読み、映像で裏付けられない約束を削ります。公開後に出た疑問は、次の説明の候補にします。読み上げの準備には、スマートフォンでテレプロンプターを使う基本ガイドも参考になります。企画の数より、視聴者が一つ行動できることを大切にしてください。
答えが明確になったら、Teleprompterで原稿を準備して練習できます。実演を中心に据え、自分が自然に話せる言葉へ整えてから撮影しましょう。
